まあ大体はスランプじゃなく実力不足

カメラマンという仕事をしている中で、「写真、お上手ですね」と言ってもらえることが多々ある。「今日の撮影、山内さんにお願いして正解でした」と言ってもらえることもある。

こういった言葉を頂けるレベルで仕事をするのはプロとして当然だと思うのだが、それでも改まって言葉にしてもらえるとやはり嬉しい。

そうした言葉を胸に刻み、プライベートでも意気揚々と街に繰り出して撮影を始めるのだが、どうにもこうにも成果が芳しくない。街を歩き、光と影を探し、人やモノを見つめ、それでいて肩肘を張りすぎないよう自然体で闊歩する中で、おもむろにシャッターを切るのだが、その仕上がりが満足いくものかと言われると疑問が残る。

LEITZ MINOLTA CL + NOKTON classic 40mm F1.4 – FILM : Kodak PORTRA160

分かっている。僕は写真が下手だ。

「お上手ですね」と言われて気を良くし、仕事を離れたプライベートの撮影で見事なまでに意気消沈する。「次もまたお願いします」と言われて「お任せください」と答えた直後、超一流フォトグラファーの写真を見て鼻っ柱を折られる。

俺は写真が上手いんだ!と天狗になっては、なんて俺は写真が下手なんだ、、、と所詮は井の中の蛙であることを思い知る。もう何年も何年も、本当に何年も同じことを繰り返している。僕は馬鹿なのでこればかりはきっと死ぬまで治らないのだろう。

とはいえ、自らの蛙っぷりは認めたとしても、自分の撮った写真の成果に首を傾げるような状況をそのままにしておくわけにはいかないので、今日も明日もやっぱり街に出よう。そして写真を撮ろう。

時々、ほんの僅かな期間でも自分の思うような結果が得られないとすぐに失速してしまい、挙げ句の果てには平然とスランプを口にする人がいる。まあ他人のスランプなんて知ったこっちゃないので、どうぞそのまま勝手に沈んでいけばいいと思っているが、本来スランプという言葉が許されるのは超一流の人間に限った話であって、僕を含めて大多数の人間には無縁のものだ。

はっきり言えば、大体の人間は「安定して良い写真を撮るだけの実力がない」、これに尽きると思う。

LEITZ MINOLTA CL + NOKTON classic 40mm F1.4 – FILM : Kodak PORTRA160

そんな大多数側に属する人間に出来ることと言えば、安定して良い写真が撮れるようになるまで打席に立つこと、そして、安定して良い写真が撮れるようになった後も打席に立ち続けることしかない。

当たり前だが、自らの足で立った打席の数以上にヒットを打つことはできない。写真家に限ったことではなく、結局のところ「やるか、やらないか」だ。それを思考停止の根性論というならそれでも構わないが、やらなかったことのツケはいつか必ず回ってくる。

今ではもう古いネタと化してしまった感が否めないが、林先生の「いつやるの?今でしょ!」はネタとして終わらせるには勿体ないくらい本当に良い言葉だと思う。

自分にとって必要なことはさっさとやった方がいい。

スタートを切るのに、わざわざピストルの号砲を待つ必要などどこにもない。

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