Voigtlander BESSA-R2 + COLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PII

40歳になったら買おうと思っていたバースイヤーカメラ(Birth year camera)。

読んで字の如く自分が生まれた年に製造されたカメラを指すのだが、カメラの製造番号から製造年度を割り出すという作業に途方もない面倒くささを感じ、妥協案として「自分が生まれた年(1983年)に販売開始されたカメラ」を買うことで決着をつけようとした。

そうして見つけたのがPENTAX super Aというカメラである。

PENTAX初のマルチモードAEを搭載、シャッター周りも電子化され、その年のヨーロピアン・カメラ・オブ・ザ・イヤーを受賞、そして何よりsuper Aという名前からそこはかとなく漂う時代感に心は色めきだち、40歳を待たずしてこのカメラが欲しくてたまらなくなった。

しかし、である。

従来のフルメカニカルカメラからマウントを一新し、時代の波に乗って電子化を果たしたことが40年の時を経て大きな障害として立ちはだかった。当時の電子部品が無いのだ。

機械式カメラの利点として頻繁に挙げられることのひとつに、きちんとメンテナンス・OHし続ければ半永久的に使い続けられる点がある。しっかりと手入れを施し、幾年にも渡って使い続けられることが一体どれだけ持ち主の所有欲を満たすかは想像に難しくないだろう。

だが、これがPENTAX super Aのような電子式カメラとなると事情が異なる。どれだけ修理に出したくても、当時のパーツが無い以上、電気系統が壊れてしまえばその時点でカメラを使い続けることは不可能になってしまう。そうなったら最後、後はちょっとでかい文鎮として使うくらいしか用途が見つからない。

バースイヤーカメラという、いささかお祭り的買い物であったとしても、買った以上は使い倒したい。赤子を触るかのごときフェザータッチで触れてやるつもりなど毛頭ないのだ。しかし悲しいかな、モノが壊れる時というのは必ずやってくる。さらに、その一度の故障が命取りになるかもしれないことを考えると、件のPENTAX super Aが長く使い続けられるカメラであるとは言い難かった。

結局、PENTAX super Aは10日間の逡巡の末、購入を見送った。

参照:No buy bye-bye Birth year camera

だが、しかし、である。

バースイヤーカメラが欲しいという気持ち自体が消えた訳ではない。

男とは何と馬鹿な生き物であろうか、欲しくなっちゃったらもうとにかく欲しいのである。ここはひとつバースイヤーにかこつけて何か買い物をしないと咳・頭痛・目眩に発作といった諸症状にひどく悩み、夜な夜なスマホを開いては片っ端から中古カメラ屋の在庫をチェックするという深刻な後遺症に悩まされるのは分かりきっている。この病に有効なお薬はただひとつ。「良いカメラ」これ以外にないのである。

そんな訳で、自らの心身に支障をきたさないため、これも心と体の健康のためと言い聞かせながら再びカメラを探す中で、ある一台が目に止まった。

COSINA(コシナ) CT-1 Superである。

このカメラの存在を知った時、、、いや、コシナの名を聞いた時、ハンマーで頭を殴られたような衝撃が脳天から爪先に駆け巡った。そうだ、フォクトレンダーやツァイスと言ったレンズばかりが取り沙汰されるので忘れていたが、コシナにもカメラを生産している時代があった。日本が世界に誇るモノ作りメーカー、コシナのカメラを忘れていたとは、もはや一生の不覚と言ってもいい失態だ。

あ、COSINA CT-1 Superがどんなカメラか気になるという人は勝手にググってほしい。こちらの要望を満たす素晴らしいカメラではあるが、わざわざスペックとか何とかまで書くのは面倒くさい。

PENTAX super Aを諦めた今、COSINA CT-1 Superはまさに一条の光明である。

問題は状態の良い中古品に出会えるかということだが、これに関してはネットと足の両方を使って根気よく探すしかあるまいと、そう考えていた。

ところが、ネットでリサーチを始めて早々、僕は知ってしまった。というか思い出してしまった。

コシナが2000年前半に販売していたレンジファインダー機、BESSAシリーズ!
(あったー、あったわー、今の今まで完璧に忘れてたわー!!)

元々OEMメーカーとして素晴らしいカメラを世に供給し続けてきたコシナ。その筆頭とも言えるのが先ほどのCOSINA CT-1 Superであるが、そのCOSINA CT-1 Superをベースに生み出されたのがBESSAシリーズである。

YASHICA FX-3 Super 2000、Nikon FM10、Canon T-60、OLYMPUS OM2000、RICOH XR-8 SUPERなどはいずれもコシナの製品をベースにしている、と言えば同社の技術力の高さが理解してもらえるだろうか?

質実剛健な日本のモノづくりを今なお実践するメーカー、コシナ。そのコシナが世に出したレンジファインダー機、BESSA。そのベースになっているのは僕にとってバースイヤーカメラであるCOSINA CT-1 Super、となればこれはもう次に買うカメラは決まったようなものだ。

BESSAにはいくつかのシリーズがあるのだが、VMマウントのBESSA-R2が良い。

画像引用:コシナ アーカイブ PDFより引用

これにCOLOR-SKOPAR 35mm F2.5 PIIを装着したい。(レンズについては特にこだわりがあるわけでは無かったが、カラスコは使ったことがなく、これを機に使って見たいという気持ちが芽生えた)

ここまで来ればあとは買うだけ、ということですぐさまネットで中古品をあれこれと調べてみたが、いずれもSOLD OUTになっており、なかなかブツが見当たらない。しかしまあ、これはある程度分かりきっていたこと。中古カメラなんてそういうものだ。ネットで小まめに情報収集しながら、あとは地道に足で探すのが王道にして最短ルートである。

まずは明日、明後日にでも中古カメラ屋を巡ってみるとしよう。

待ってろ、BESSA-R2!

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